株式会社ZIDO 安井 真人さん
技術提供機関(研究機関名):理化学研究所
チーム名:ZIDO(Aチーム)
- T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?
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出身母体である、理化学研究所より本プログラムを紹介されて参加しました。参加動機としては、これまで1人で事業を考えてきた自身にとって、複数の人と事業を考える、新たな気づきが得られると考えたからです。
また、本を読むなどして一定の知識はありましたが、私は研究者出身ですので、実際のビジネスの場面で、何をどう考え行動するべきなのかなど体験値を持っておらず、この点が学べる(今後何をすれば良いかわかる)のではないかと考え、参加することにしました。 - 参加した結果、得たものは何ですか?
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一番大きな学びは、自分自身の殻を破れたところです。プログラム始めの頃は、自身の技術で、自身が社長(TOP)として、メンバーを率いなければならないという意識を持って接していましたが、結果周りが離れていく感覚を覚えました。
これまで事業を行うためにマネジメントを行った経験はなく、周囲の意見を受け入れ、それを交えてより良いものにしていく、それがビジネスを創ることにつながるのだと強く感じました。これを乗り越えた結果、第1回:T-CEPの最優秀賞に輝くことができたのだと、今では仲間に感謝しかありません。 - T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?
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まずは、T-CEPで考え抜いた事業計画に基づき(特にコストを掛けないPDCAの回し方、チームで事業を進めるために重要なことを活かして)、資金調達→顧客開拓→商品力の向上と事業の高度化・強度化を進めていきます。
さらに、ここで得た事業開発の専門家、顧客やパートナーを紹介していただけるコーチ・アドバイザー陣と連携しながら、私の事業目標である「研究者が研究に専念できる環境の整備」へ邁進してまいります! - 今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします
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私は研究者として、自らの技術を題材として、各種の専門家、大企業やベンチャーから参加してきたメンバーに考えてもらうことができました。自研究の事業化を考えている方は、T-CEPという「一気に事業化へのアクセルが踏める」場があることを知って欲しいです。特に、知財や資本政策などはじめの段階で失敗すると、技術は良くても後々取り返しのつかない事態に陥るリスクもあります。また、顧客のニーズをベースに研究を進めるのにも役立つので、研究の質も向上すると思います。
第一稀元素化学工業株式会社 辰己 亜紀子さん
技術提供機関(研究機関名):理研ベンチャー/株式会社JAPAN MOSS FACTORY
チーム名:株式会社コケ・ビューティ(Bチーム)
- T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?
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大学院修士課程修了後、第一稀元素化学工業(株)に入社、機能性材料の基礎研究、応用開発業務に12年間従事しました。その後、研究企画を経験したことで経営戦略に興味を持ち、現在は経営企画部にて企業価値向上と業容拡大のための新規事業開発に携わっています。
関西経済連合会のベンチャーエコシステム委員会にて、T-CEPというプロデューサー育成プログラムが立ち上がることを知り、これまで経験してきた技術の商業化プロセスを整理し、経営視点の見識を深めるため参加を希望しました。 - 参加した結果、得たものは何ですか?
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インタビューによる人と人との繋がりです。活動を通して、業界団体、企業、研究機関からエンドユーザーに至る多様な皆様にご協力いただきました。正直インタビュー前は、突然の電話やメールにどれだけの協力が得られるのだろうかと半信半疑でしたが、予想に反して何の実績もない、名も無き私達の話を熱心に聞き入れ、協力して下さる企業の多さに感動しました。日本、関西のベンチャー・エコシステムは私の想像をはるかに超えて、社会に受け入れられているのだと実感しました。
- T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?
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弊社は、排ガス浄化触媒材料や酸素センサー材料において、世界トップクラスのシェアを誇っています。その反面、自動車業界の動向に左右されやすい事業環境にあります。そのため、新規分野への業容拡大は、将来にわたり会社が発展し続けるために必須となります。
私の目標は技術シーズの事業化をサポートする社内経営コンサルタントであり、自社開発案件の事業化に留まらず、アウトサイド・インまたはインサイド・アウトの事業化にもT-CEPで得たものを活かしたいです。 - 今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします
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普段全く違ったフィールドで仕事をしているメンバーと繋がりができ、組織の垣根を越えたチームで一つのものを作りあげること。これは、社会人にとって大変貴重な機会です。よくある新規事業開発の「手法」を学ぶケーススタディとT-CEPの大きく異なる点は、実態ある技術シーズを取り扱い、本気で社会実装を目指すところです。
私のように新卒から同じ企業、研究機関でキャリアを積まれている方、違った角度からのものの見方、考え方を取り入れたい方にとくにお勧めします。
大学院理学研究科 高分子化学専攻 博士 大﨑 基史さん
技術提供機関(研究機関名):大阪大学 大学院理学研究科
チーム名:TEAM BINDING-POWER(Cチーム)
- T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?
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高分子やホストゲスト相互作用(一種の分子間力)の研究を続けてきました。教職員となったこの数年、ホストゲスト相互作用を用いた自己修復材料(傷ついても治る材料)や強靭材料(極めて破壊しにくい材料)、形状記憶材料などの研究を進めてきました。今回は当大学側に対し、T-CEP事務局から事業化支援のためのシーズ提供の打診があり、「この研究成果をなんとか社会実装しなくては!」と日々想う私どもにとって非常に有難いお話で、シーズ提供者&セミナー受講者として喜んで受講させて頂きました。
- 参加した結果、得たものは何ですか?
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ベンチャーといえばITやバイオが主流の世界にあって、どちらかといえば泥臭い「素材・材料」分野のシーズはどう活路を見出すべきか、講師先生方やチームの皆様と意見を交わすことに、どれもこれもに新鮮な感動がありました。如何にして一企業として成立するビジネスモデル・チームを組むか、どういった情報が顧客や出資者の心を掴むか、大学(しかも理学部!)ではなかなか出会う機会のない知識・知見を多々得ることができました。メンターやチーム皆様方は、モチベーションが高くバイタリティにあふれる方ばかりで、良き出会いの場ともなりました。
- T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?
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大学の理学研究科という、ビジネスとは最も遠いところにいる私ですが、T-CEPと出会ったことで、何件かの社会実装のお声がけ、そして大学発の事業立ち上げの準備にまで至ることとなりました。また、ここで得た仲間や知見は、まさに私が必要としていた(そして欠けていた)ものばかりで、この研究の社会実装をこれから進めていくうえで重要な要素でした。特に、企業側(協力会社、ユーザー企業)のニーズや、各業種特有の採用ハードル、およびその解消方法は大学では知り得ることのないノウハウの塊でした。
- 今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします
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研究者という立場から参加した私にとって、T-CEPは広い視野・知見を得られるまさに新天地・新世界でした。物事には道理があり、すべてはそれに沿って運行する ―― この大原則は、化学反応容器の中身でも起業・ビジネスの世界でも同じであると、今回私は多々感じるところがありました。少しでもシーズの社会実装を考えておられる研究者・技術者の皆様、是非とも物おじせずT-CEPへの参加を考えて頂ければと思います。
三菱電機株式会社 関西支社 事業推進部 坂 純也さん
技術提供機関(研究機関名):情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター(NICT)①
チーム名:neuLogic(Dチーム)
- T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?
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三菱電機では、オープンイノベーションの推進を担い、社外の新規事業担当者との人的ネットワークの構築や、社内の風土醸成、事業化に向けた研究所・工場との連携を行っています。今回は関西経済連合会(当社からの出向者)より、T-CEPの企画を紹介・参加を推薦いただきました。プログラムの内容や豪華な講師陣に魅力を感じたとともに、「うめきた地区にビジネスプロデューサを100人育成する」といったビジョンに共感し、参加を決めました。
- 参加した結果、得たものは何ですか?
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新規事業の創出方法を学び、実践することで、その手法を深く理解することができました。プログラムには、顧客インタビューを行うフェーズが用意されており、顧客ニーズを満たすには、いかに「顧客の本音」や「課題の本質」に迫れるかを深く考えることの大切さを知りました。
また、実績豊富な講師・コーチや優秀なチームメイトとの出会いを通じて、新たな人脈ができたことはもちろん、比較的年齢の若い私にとっては良質な刺激を受けることができました。 - T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?
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複数の事業本部を抱える当社では、それぞれの技術を正しく理解し、事業開発を推進できる人材が求められています。T-CEPを通じて得られたイノベーション創出に必要な知識・マインド・人脈は、そのような人材を目指す上で、必ず活かせると感じています。まずは、T-CEPで得られたスキルやマインドを社内に発信し、同じマインドを持った仲間を増やしていき、社内のイノベーション風土の醸成に取り組んでいきたいと思います。
- 今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします
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それなりに負荷のかかる場面もありますが、前向きに取り組んだ分、得られるものも非常に大きいプログラムだと思います。私は仕事に直結する立場での参加でしたので、上司への報告も行いましたが、自身の評価向上にもつながったと感じています。そして何よりも、普段の業務では出会うことのないメンバーとの会話を通じて、新たな視点や人脈を得られたことが一番のメリットだと感じます。是非参加をオススメします。
キクカワ経営株式会社 代表取締役 菊川 富宏さん
技術提供機関(研究機関名):情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター
チーム名:Peak the Performance Co., Ltd.(Eチーム)
- T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?
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T-CEPを知ったのは、中小企業診断士関係者からの紹介でした。その上で、HPを見て、技術重視のスタートアップの起業プロセスを主体的に経験できる充実したプログラムであり、それを学識・実務の最前線を走る講師陣から学べると感じ、即申し込みました。
別の研修として参加していたプログラム(関西経済同友会)でも、関西経済の活性化のためには新しいビジネス:スタートアップを増やす必要があると議論されており、私自身スタートアップを増やすことを自らの仕事にするべく動き始めていたところでもありました。 - 参加した結果、得たものは何ですか?
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徹底したヒアリングが重要だと実感したことです。技術が素晴らしくても、お客様なしでは事業は成り立ちません。地道なヒアリングをOJTに近い形で経験し、ヒアリングの重要性を実感できました。また、ヒアリングなどをお願いした方々が協力的だったことも重要な気づきでした。
約半年間にわたり協働することで得られた、メンバーやメンターの方々、講師の方々との繋がりも財産です。今後も情報交換などをしていきたいと思います。 - T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?
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在籍していた近鉄グループでは主に財務畑(連結会計、IRなど)、独立後は中小企業診断士として顧客企業に対する経営支援を行ってきました。これにT-CEPで学び経験した事業化のためのプロセスを加えることで、スタートアップ(大企業を含む顧客のニーズを満たし、事業を軌道に乗せる)支援の基本、およびどうすればより良いサイクルがまわせるかがわかりました。
まずは、起業されようとしている方や、起業して間もないスタートアップのサポートに。その上で、うめきた2期に何らかの形で関わることができればと思っています。 - 今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします
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このプログラムの軸は、テクノロジー(技術)視点での事業化:プロダクトアウトです。技術を軸にいかに顧客ニーズを開発し、PIVOT(試行錯誤)するか。これをオープンに学べる場所は、私の知る限り他にありません。講師やコーチの方々が、第一線の実務家(新規事業創出のプロ集団)であることも特筆すべき点です。
ただし、教えてもらえるのではなく、あくまでも主体的に自ら学びとる姿勢が重要であり、真剣に取り組むとハードな内容です。企業支援者(士業・コンサル)や、企業の新規事業担当者、CVCの方なども是非T-CEPで学んでみてください!